三色団子を食べた際、「どれも同じ砂糖の甘さしか感じない」と感じた経験と、「緑だけ明らかに草の香りがした」という経験の双方が存在するのは、製造方法と原材料の差異に起因しています。
結論から言えば、「本格的な和菓子店の団子は味が異なり、大量生産の市販品はほぼ同じ味」というのが真相です。色ごとに用いられる素材と味覚の設計は以下のように分かれています。
- ピンク(桜色・赤):伝統製法では桜葉の粉末、桜の花のエキス、あるいはクチナシや紅麹などの天然色素を用います。桜由来の素材が入っているものは微かな塩気や桜餅のような華やかな芳香が広がりますが、一般的な量産品では白団子と同じ生地に赤色着色料を加えただけのものが主流です。
- 白:上新粉(うるち米の粉)や白玉粉(もち米の粉)に砂糖を加えたプレーンな状態です。米本来の甘みともちもちした弾力をストレートに味わう基本の味となります。
- 緑:三色の中で最も明確に味が差別化されている部位です。伝統的には「ヨモギ(蓬)」の新芽をすり潰して練り込んでおり、特有の爽快な青い香りと微かな苦味が楽しめます。コストを抑えた市販品では抹茶パウダーや緑色着色料で代用されることもありますが、香料やよもぎ粉末によって風味の違いが際立ちます。
「全部同じ味」と感じてしまう最大の要因は、安価なパック団子の多くが「同一の甘い米粉生地を着色料だけで3つに染め分けている」点にあります。視覚情報による先入観(クロスモダル現象)を除けば、糖度とベース生地が同一であるため、味覚センサー上は同じ味と知覚されるわけです。