絶望の闇に光が射し始めたのは、長い歳月と地道なトレーニング、そして何より歌への断ち切れない情熱があったからだ。少しずつ、本当に少しずつ声を取り戻していった彼は、2012年にT-BOLANを再結成。実に14年ぶりとなるステージへと帰還を果たした。
復活ライブの瞬間、会場を包んだのは万雷の拍手と涙だった。完璧にコントロールされたかつての歌声とは異なるかもしれない。だが、掠れた声の奥から絞り出される『離したくはない』の一節は、かつてないほど濃密な感情を宿していた。ファンは彼を待ち続けていたのであり、彼もまたファンの存在を支えに地獄のようなリハビリに耐え抜いたのだ。