彼女の輪郭の変化は、そのまま女優としてのキャリアの軌跡と見事に重なり合っている。
朝の連続テレビ小説『ひよっこ』でヒロインを演じた際、彼女は素朴な田舎娘のリアリティを出すために、意図的に体重を増やして撮影に臨んでいた。温かみのあるヒューマンドラマの主人公として、あのふっくらとした頬と愛嬌のあるエラ周りは、むしろ視聴者に安心感を与える最高の武器だったのだ。
転機となったのは、社会現象を巻き起こした大ヒット恋愛映画『花束みたいな恋をした』だろう。20代のリアルな恋愛と生活感を演じるなかで、輪郭の無駄な脂肪は削ぎ落とされ、表情には大人の憂いが宿り始めた。そして近年、世界配信されたNetflixの大型オリジナルドラマ『さよならのつづき』で見せた圧倒的な透明感。寒風にさらされる横顔のラインは息をのむほど洗練されており、作品ごとに求められる役柄へ徹底して肉体をアジャストさせてきたプロ意識の凄みが浮かび上がる。