今一度、STAP細胞事件のまとめとして騒動の発端とSTAP細胞論文撤回の経緯を冷静に振り返る必要があります。2014年1月28日、理化学研究所(理研)発生・再生科学総合研究センター(CDB)の小保方晴子研究ユニットリーダー(当時)らは、「酸性溶液に浸すなどの外部刺激を与えるだけで、分化した細胞が初期化されあらゆる組織になれる多能性を獲得する」という画期的な成果を発表しました。
当時、iPS細胞のように遺伝子導入を必要としない簡便・安全な万能細胞作製法として、ノーベル賞級の発見と国内外で大きく報じられました。しかし発表直後から、世界中の研究者が再現実験に失敗したことをインターネット上で報告し始めます。さらに論文中の電気泳動画像に切り貼りの痕跡があることや、小保方氏の博士論文からの画像転用が指摘されるなど、データ捏造・改ざんの疑義が急速に噴出しました。
調査委員会の設置を経て、2014年7月に『ネイチャー』誌は掲載論文2本を正式に撤回しました。そしてSTAP細胞の真相を究明すべく、理研内で大掛かりな検証体制が組まれることとなりました。