ロックボーカルの象徴とも言えるシャウトですが、メタルコアやデスメタルなどの細分化されたジャンルにおいて、類似する特殊発声との区別は極めて重要です。リスナーやボーカリストの間で混同されやすい3つの歌唱法には、明確な音響的・構造的差異が存在します。
デスボイス(グロウル・ガテラル)は、主に低音域で獣のように唸る重厚な発声を指します。これに対してスクリームは、高音域で引き裂くような鋭い悲鳴に近い質感を持ち、エモやスクリーモで多用されます。そしてシャウトは、元のメロディラインや音程感をある程度保持したまま、力強い倍音の歪みを乗せるスタイルを指すのが一般的です。
伝説的なロックのシャウト歌手であるAerosmithのスティーヴン・タイラーやONE OK ROCKのTaka、Linkin Parkの故チェスター・ベニントンらは、単に大声を出しているわけではありません。クリーンなハイトーンボイスの骨格を崩さず、自在に歪み成分をミックスさせることで、圧倒的な感情表現と音楽性を両立させています。