タモリ流生姜焼きはなぜ絶品なのか?漬けない調理法と黄金比の秘密

タモリ流生姜焼きはなぜ絶品なのか?漬けない調理法と黄金比の秘密

タモリ流生姜焼きはなぜ絶品なのか?漬けない調理法と黄金比の秘密についての真相をお届けします。

多くの家庭や一般的な料理本が推奨する工程といえば、「すりおろした生姜や醤油を合わせた調味液に、あらかじめ生肉を漬け込んでおく」というスタイルだ。味が染み込んで美味しくなると思われがちだが、ここに大きな落とし穴がある。塩分濃度の高いタレに生の豚肉を長時間浸すと、浸透圧の作用によって肉内部の水分と細胞内の旨味が外へ強制的に引き出されてしまう。

水分が抜けた肉を熱いフライパンに投入すれば、タンパク質が急激に熱変性を起こし、繊維がギュッと縮んでパサパサの食感に変わり果てる。生姜に含まれるタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)の軟化作用を期待する声もあるが、市販の薄切り肉では脱水による硬化のデメリットのほうが圧倒的に上回ってしまうのだ。

これに対し、タモリ流生姜焼きは一切漬け込まない。肉本来の水分を細胞内に閉じ込めたまま加熱し、最後の数秒でタレを一気に絡める手法を取る。この逆転の発想こそが、専門店でもなかなか出会えないしっとりとした柔らかさを生み出す決定的な理由である。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。