1,047ccの排気量から絞り出される最高出力は105馬力(ps)/9,000rpm。当時の市販車として初めて大台である100馬力を突破し、最高速スペックは225km/h、ゼロヨン(0-400m加速)は11.65秒を記録しました。この圧倒的な運動性能により、CBXは「世界最速」の称号を引っさげて世界市場に君臨しました。
当時、CBXの好敵手として常に比較されたのが、翌1979年に登場したカワサキの怪優「Z1300」です。同じ直列6気筒でありながら、両者の設計思想は完全に対極をなしていました。以下の比較データは、ホンダとカワサキが当時目指したフラッグシップ像の決定的な違いを物語っています。
CBXはエンジンを強度部材の一部として利用するダイヤモンドフレームを採用し、6気筒でありながら車体重量を250kg前後に抑え込みました。高回転まで吹け上がるレーシーなフィーリングを求めたホンダに対し、シャフトドライブで巨躯を安定巡航させるツアラーに舵を切ったカワサキ。このライバル関係が、当時のバイク黄金期を象徴しています。