サポーターの間で「Jリーグは海外リーグと比べても判定ミスが多いのではないか」という疑問が頻繁に投げかけられます。しかし、公式発表資料やJFA審判委員会の定期メディアブリーフィングの数値データを紐解くと、判定全体の正答率は98%以上を維持しており、統計上は世界トップクラスの水準にあります。それにもかかわらず誤審が目立つ最大の理由は、現代サッカーにおける「試合スピードの極限化」と「メディア露出の多層化」にあります。
選手のプレースピードとインテンシティ(強度)が年々増大する中、主審は1試合で平均11〜13kmを走り、心拍数160bpmを超える極限状態の中で瞬時の判断を下さなければなりません。人間の動体視力と認知能力の限界点に挑んでいるのがピッチ上のレフェリーです。
さらに、かつて人気を博した『Jリーグ ジャッジリプレイ』や後継の検証番組、DAZNの見逃し配信、SNSのコマ送り動画によって、スタジアムにいる審判員には見えない角度の映像が瞬時に拡散される環境が整いました。「肉眼の限界」と「無数のスーパースローカメラ」という情報の非対称性が、体感としての誤審件数を増幅させている背景があります。