漆の木に触れて最も恐ろしいのは、主成分である「ウルシオール(Urushiol)」によるアレルギー反応です。この成分は樹液だけでなく、葉、茎、樹皮など木全体に含まれており、直接触れるのはもちろん、傷ついた枝からにじみ出た微量の樹液に触れるだけでも皮膚炎を発症します。
ウルシによる症状は「遅延型アレルギー(IV型アレルギー)」に分類されるため、触れた瞬間に痛みが出るわけではありません。接触後、およそ12時間から48時間(1〜2日後)が経過してから、以下のような激しいかぶれ症状が段階的に現れます。
初期には皮膚の強い赤み(紅斑)と耐えがたいかゆみが生じ、次第にブツブツとした丘疹が広がります。重症化するとパンパンに腫れ上がり、大小の水疱(水ぶくれ)が多発して破れ、びらん状態(ただれ)へと進行します。かゆみに任せて掻き壊してしまうと、二次感染を引き起こして色素沈着や傷跡が長期間残るリスクがあるため、強い警戒が必要です。