『いだてん』を語る上で欠かせないのが、日本演劇界・映画界の総力を結集した重厚なキャスティングです。
主人公・金栗四三を演じた中村勘九郎の泥臭くも清々しい身体表現、田畑政治を演じた阿部サダヲの早口でエネルギッシュな推進力はもちろんのこと、日本スポーツ界の父・嘉納治五郎を演じた役所広司の重厚な存在感は物語の精神的支柱となりました。
さらに、若き日の古今亭志ん生(美濃部孝蔵)を演じた森山未來の鬼気迫る落語シーン(特に第39回「懐かしの東京」における『富久』の語りと金栗四三の走りが重なる演出)は、テレビ史に残る名場面として現在も語り草となっています。綾瀬はるか、生田斗真、松坂桃李、神木隆之介ら実力派キャストが織りなす相関図の密度は、何度見返しても新たな発見をもたらします。