桃のパフェが店頭に並ぶ時期は、一般的に6月中旬から9月中旬頃までの約3カ月間です。しかし、グルメファンの間で「桃のパフェは足が速すぎる」と囁かれるのは、桃という果実そのものの生態と収穫サイクルに決定的な理由があります。
果樹園関係者や市場関係者の取材データによると、一つの品種が最良の糖度と肉質を保って収穫できる期間はわずか10日から2週間程度しかありません。店頭で提供される「桃のパフェ」は、初夏の極早生品種から晩生品種へとバトンを繋ぐ「品種リレー」によって成立しています。
具体的にどのような品種がどのタイミングでパフェに仕立てられているのか、代表的な品種リレーの目安は以下の通りです。
【桃の品種別・パフェ提供リレーの推移】
・6月中旬〜7月上旬(極早生・早生):「はなよめ」「日川白鳳」など。みずみずしく果汁が豊富で、さっぱりとした甘みが特徴。
・7月中旬〜8月上旬(中生・最盛期):「白鳳」「あかつき」。果肉が緻密で糖度が高く、桃パフェの王道とされる濃厚な味わい。
・8月中旬〜8月下旬(晩生):「川中島白桃」「まどか」。やや硬めでしっかりとした歯ごたえがあり、カットの美しさが際立つ。
・8月下旬〜9月中旬(極晩生・黄桃系):「黄金桃」「黄貴妃」「さくら白桃」。マンゴーのような濃密な芳香を持つ黄桃や、カリッとした食感が残る晩生白桃。
多くの名店では、時期によって使用する品種が毎週のように切り替わります。訪れるタイミングによって、とろけるような柔らかさを味わえるのか、それともしっかりとした歯ごたえと酸味のバランスを楽しむのか、体験できる味わいが劇的に変化する点こそが「一期一会」と呼ばれる所以です。