巨大地震のニュースを目にすると、「今後M10のようなさらに巨大な地震が起きるのではないか」という不安がネット上などで度々囁かれます。しかし、地球物理学の観点から見ると、地球上でM10クラスの地震が発生する可能性は極めて低いとされています。
地震の規模(マグニチュード)は、破壊される「断層の面積」と「すべり量」によって力学的に決まります。M10の地震が発生するためには、プレート境界の断層が数千キロメートルにわたって数十メートル以上一気にズレ動く必要があります。しかし、地球上のプレート境界でこれほど長大な断層面が1つの震源域として一気に連動して破壊される構造は、プレートテクトニクス理論上存在し得ません。
現在地球上で想定される物理的な限界値は、1960年チリ地震のM9.5前後がほぼ上限と考えられています。天体衝突などの外部要因がない限り、地殻の歪みエネルギー解放による地震としてはチリ地震が地球の物理的限界を示していると言えます。