大葉(青じそ)と赤じそは、見た目の色彩だけでなく、含まれる成分の性質が異なるため、調理現場での役割が完全に分かれています。
大葉としその使い分けにおいて最も分かりやすいのが「生食か加工か」という境界線です。大葉(青じそ)は葉が柔らかく、清涼感のある香りを生かしてそのまま薬味として食されます。一方、赤じそは葉の繊維がやや硬く、アク(シュウ酸やタンニン)が強いため、生食には向きません。塩もみしてアクを抜き、梅干しの着色やジュースの原料として利用するのが一般的です。
鮮魚売り場や和食店で大葉が刺身のつまとして添えられているのには、彩りの良さだけではない明確な理由があります。大葉特有の芳香成分であるペリルアルデヒドには、強力な抗菌・防腐作用と、魚特有の生臭さを抑える矯臭効果が備わっています。冷蔵技術が未発達だった時代から、食中毒を防ぐための知恵として重宝されてきた背景があります。
家庭で大葉の魅力を引き出す薬味レシピとしては、以下のポイントを意識すると香りの立ち方が劇的に変化します。
- 細切り(千切り):包丁を入れる直前に手のひらで軽く叩くか、切った後に水にさっとさらして水気をしっかり切ることで、細胞膜が破れてペリルアルデヒドが一気に揮発し、爽やかな香りが倍増します。そうめんや冷奴の薬味に最適です。
- 大葉の醤油・ごま油漬け:洗って完全に水気を拭き取った大葉を、醤油、みりん、ごま油、にんにく少々を合わせたタレに一晩漬け込みます。ご飯を巻いて食べるだけでなく、焼き肉の包み野菜としても重宝します。
- 揚げ物(天ぷら・肉巻き):大葉の片面だけに衣をつけて揚げることで、縮みを防ぎつつ鮮やかな緑色と香りを閉じ込めることができます。豚肉や鶏ささみにチーズと一緒に巻き込む調理法も定番です。