教員によるセクハラが繰り返される最大の要因は、学校という空間が持つ「強固な権力勾配(パワーバランス)」と「閉鎖性」にあります。教員は児童生徒に対して成績評価、推薦入試の決定権、部活動のレギュラー選考など、将来を左右する強力な権限を握っています。子ども側が「嫌悪感を伝えたら進学に影響するのではないか」「指導に従わなければ居場所を失うのではないか」と恐れを抱く心理構造を、加害教員が無意識的あるいは意図的に悪用するケースが頻発しています。
さらに深刻なのが、学校組織の自浄作用を阻害する「内々での処理」を優先する事なかれ主義です。過去の調査報道や関係者の証言によると、被害生徒や保護者から相談を受けた校長や教頭などの管理職が、以下のような組織防衛バイアスによって問題を握りつぶしてきた実態が明らかになっています。
「学校の評判を落としたくない」「伝統校の名に傷がつく」「教員の将来を奪うのは忍びない」という歪んだ身内意識が働き、加害教員を厳罰に処すのではなく、別校への異動や口頭注意にとどめるという不適切な隠蔽工作が行われてきました。この隠蔽体質を打破するため、教育委員会対応ガイドラインや文部科学省最新対策指針では、性暴力事案を把握した際の教育委員会への即時報告義務と、警察への通報が明確に義務付けられています。