佐渡ヶ嶽親方を語る上で外せないのが、長男である現大関・琴櫻(本名:鎌苅将且)との特別な師弟関係です。幼少期から相撲の英才教育を受け、埼玉栄高校から佐渡ヶ嶽部屋に入門した息子に対し、親方はあえて「特別扱いを一切しない」という極めて厳しい姿勢を貫きました。
部屋の力士たちと同じ大部屋で寝起きさせ、稽古場では誰よりも厳しい檄を飛ばす日々。親方自身、当時のインタビューで「親子だからこそ、他の力士以上に厳しく接しなければ示しがつかない。家庭の情を持ち込まないことが最大の愛情だった」と語っています。その厳格な指導が実を結び、2024年初場所後に大関昇進を決定づけました。
大関昇進に伴い、父の現役名である「琴ノ若」から、祖父である第53代横綱「初代琴櫻」の四股名を継承。祖父(初代琴櫻)から父(13代佐渡ヶ嶽=琴ノ若)、そして子(琴櫻)へと受け継がれた血脈と伝統は、大相撲の歴史においても類を見ない感動的な継承劇としてファンの心に刻まれています。