競走馬は本当に馬肉になるのか?引退後の運命と隠された食肉処分の真実

競走馬は本当に馬肉になるのか?引退後の運命と隠された食肉処分の真実

競走馬は本当に馬肉になるのか?引退後の運命と隠された食肉処分の真実の重要なポイントについて、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

競馬ファンが最もショックを受けるのは、愛した名馬や重賞勝ち馬が辿る末路です。かつて競馬界を揺るがした事件として、1986年のアメリカ二冠馬であり、日本へ種牡馬として高額で輸入された名馬ファーディナンドの悲劇があります。日本で種牡馬を引退した後、功労馬としての引き取り手が見つからないまま用途変更され、2002年頃に食肉処理されていた事実が後年発覚し、世界中に大きな衝撃を与えました。

この事件を契機に、JRAは「重賞勝ち馬」などを対象とした功労馬助成金制度(現:引退名馬繋養展示事業)を整備し、重賞勝者クラスであれば余生を支援するセーフティネットが敷かれました。しかし、そうした手厚い保護の網から漏れるオープン馬や条件戦の馬たちには、依然として厳しい現実が待ち受けています。

「乗馬へ転身」という優しい嘘と二次流通の闇

抹消時に「乗馬」と発表された馬の追跡調査を行うと、過酷な「二次流通・三次流通」の実態が浮かび上がります。競走馬を乗馬クラブのレッスン馬として活用するには、人を安全に乗せられるよう数カ月から半年以上の「リトレーニング(再調教)」が必要です。

しかし、極度の興奮状態を保つよう育てられた競走馬の中には、どうしても気性が治まらない馬や、競走生活による脚元の持病(ボロ、骨片、屈腱炎)が再発して人を乗せられなくなる個体が少なくありません。乗馬クラブも民間企業である以上、利益を生まない馬をボランティアで養い続けることは不可能です。

ある関東地方の乗馬クラブ元インストラクターは、当時の内情を次のように赤裸々に証言しています。

「クラブの馬房には限りがあります。会員さんを安全に乗せられない馬や、高齢で腰が落ちた馬は、定期的に巡回してくる家畜商のトラックに乗せるしかありません。『預託料が支払われなくなった馬』『怪我で乗れなくなった馬』の行き先を、スタッフ同士で口にすることは暗黙のタブーでした。厩舎から『乗馬になれてよかったね』と送り出された馬の何割が、5年後も乗馬として生き残れているか……現場の人間ほどその過酷さを知っています」

公の発表で「乗馬」と記載されることは、ファンや厩舎関係者の心を痛めないための「優しいオブラート」として機能している側面があり、その後の追跡が完全に途絶えてしまうケースが後を絶ちません。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。