ドラマの情報をリサーチする読者の間で、長年混同されているのが「主題歌」に関する事実関係です。ネット上の言説では、前作にあたる『ストーカー・誘う女』の主題歌であったGLAYのミリオンヒット曲「口唇」と本作が同一視されるケースが散見されます。
しかし、本作『略奪愛・アブない女』のオープニングを飾った正規の主題歌は、及川光博の「抱き枕」です。当時、“ミッチー”の愛称で独自の世界観を確立しつつあった及川光博が歌う、退廃的で艶美なサウンドと哀愁を帯びたメロディは、ドラマの異常な緊張感を底上げする決定打となりました。
「愛しすぎて壊してしまう」という人間の暗部をなぞるような歌詞世界は、稲森いずみ演じる葵の病的な心理状態と完璧に同期しており、90年代カルチャーを象徴するコラボレーションとして音楽ファンからも再評価されています。