ステッカーチューンを楽しむうえで、ネット上の気軽なまとめ記事ではほとんど触れられていない重大な「盲点」があります。それは、Boom Boom Stickersなどの専門ガイドが警鐘を鳴らす「安全性・後処理・ルールの3点確認」の欠如が招く、金銭的・法的なトラブルです。
第一の盲点は、ノートパソコンやスマートフォンのリセールバリュー(売却・下取り価格)の暴落です。とくにMacBookシリーズに採用されている陽極酸化皮膜処理(アルマイト加工)されたアルミニウム筐体は、微細な孔(あな)を持っており、ステッカーを数年間貼りっぱなしにすると、「貼っていた部分」と「露出していた部分」で酸化・日焼けの進行速度に差が生じます。その結果、いざ売却しようとしてステッカーを剥がしても、リンゴマークの横にステッカーのシルエットがくっきりと変色して残る「ゴースト現象」が発生します。この変色はアルコールや研磨剤でも絶対に消すことができず、中古買取市場では「外装不良(Cランク以下)」と判定され、査定額が15,000円〜30,000円近く減額されるケースが後を絶ちません。
第二の盲点は、車やバイクに貼る際の注意点における「道路運送車両の保安基準(道交法関連法規)」です。「自分の車だからどこに貼っても自由」というのは危険な誤解です。フロントガラスおよび運転席・助手席の側面ガラスにステッカーを貼る行為は、透過率70%以上という保安基準に抵触するため、たとえ小さな透明ステッカーであっても完全な違法(車検不適合・整備不良)となります。また、リアガラス(後部窓)への貼り付け自体は合法ですが、後方視界を著しく遮るサイズや、後続車のドライバーを幻惑させる反射素材・発光素材のステッカー、さらには「緊急車両や公用車と誤認させるデザイン」は取り締まりの対象となります。
第三に、賃貸住宅の壁や建具、会社から貸与されている業務用PC・ロッカーへの貼り付けです。壁紙(ビニールクロス)に強粘着の塩ビステッカーを貼ると、剥がす際に表面の塩ビ層ごとベリッと剥がれ、退去時に数万円単位の「クロス全面張り替え費用(原状回復費用)」を請求されるトラブルが消費者センターにも多数報告されています。