就職・転職市場で囁かれ続ける「顔採用の真相」について、認知心理学および組織行動論の観点から考察すると、人間の無意識のバイアスが大きく関与していることが分かります。
心理学には「ハロー効果(Halo Effect)」と呼ばれる著名な認知バイアスが存在します。ある対象を評価する際、目立つ特徴(外見の清潔感や快活さ、スタイルの良さなど)に引きずられ、他の特徴(知性、誠実さ、仕事への意欲など)までも高く評価してしまう現象です。人事面接官がどれほど客観的な評価シートを用いていても、笑顔が魅力的で身だしなみが整っている応募者に対して、無意識のうちに「協調性がありそうだ」「対人折衝で信頼されそうだ」とプラスの評価を下してしまう傾向は統計的にも実証されています。
さらに見逃せないのが、「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」と外見投資の相関関係です。大学時代からミスコン出場やモデル活動、あるいはSNS発信に積極的に取り組んできた層は、人に見られる意識が高く、自己演出やプレゼンテーションに慣れています。面接という緊張度の高い空間でも、堂々としたアイコンタクトや通る声で受け答えができるため、結果として通過率が跳ね上がるという構造的要因が存在します。