一般に「電動ドライバー」と総称される工具の中で、最も混同されやすいのがドリルドライバーとの違いです。外見こそ酷似していますが、内部で動力を伝えるメカニズムは対極に位置しています。
インパクトドライバーの核心は、内部に組み込まれた打撃機構の仕組みにあります。モーターが回転し、ネジを締め込むにつれて一定以上の負荷がかかると、内蔵されたハンマー(撃鉄)がアンビル(金床)を回転方向に「ガガガッ」と強烈に叩き始めます。この瞬間的な衝撃トルクによって、75mm以上の長いコーススレッド(木工用ネジ)でも下穴なしで木材の奥深くまで力強くねじ込むことが可能です。最大トルクは一般的な18Vモデルで140〜180N・m、最新フラッグシップ機では200N・m以上に達します。
一方で、いわゆる電動ドライバーの王道であるドリルドライバーには、打撃機構が一切搭載されていません。モーターの純粋な回転力だけで駆動し、その代わりに先端部には多段階のトルク調整 クラッチ機能が備わっています。これは設定した負荷に達すると内部ギアが「カチカチカチ」と空転し、それ以上の力がネジに加わらないよう強制的に遮断する仕組みです。ネジを必要以上に深く埋め込まず、素材を割らないための精密なリミッターとして機能します。