乳児期における自閉症スペクトラムの赤ちゃんに見られる兆候として、ネット上で最も頻繁に議論されるのが「視線の一致」と「社会的微笑(あやし笑い)」の有無です。「もしかして…」と不安を募らせる親の多くが、生後数ヶ月の段階で我が子の反応の乏しさに直面しています。
小児科領域の知見によると、自閉症で目が合わない兆候はいつから確認できるのかという問いに対し、生後6ヶ月から12ヶ月前後の視線追従テストや対面相互交渉の観察が一つの指標とされます。生後2〜3ヶ月頃の乳児は一般に人の顔の輪郭や黒目に関心を示し始めますが、ASDの特性を持つ乳児の場合、人よりも動く玩具や幾何学的な光の反射に強い興味を向ける傾向が指摘されています。
また、自閉症の赤ちゃんが笑わない理由やあやしても反応しない背景には、知覚情報の処理スタイルの違いが存在します。感情がないのではなく、周囲からの刺激(声かけや表情)を意味ある社会的シグナルとして脳内で統合するプロセスが定型発達とは異なるため、外見上「無表情」「無反応」に見えるケースが生じるのです。ただし、乳児期の視力は生後半年でようやく0.1〜0.2程度に達する発達途上段階にあり、機嫌や体調、単なるマイペースさによって目が合いにくい時期も長いため、この段階で確定的な判断を下すことはできません。