「加工されているから栄養がゼロになっている」という極端な意見を目にすることがありますが、これは正確ではありません。正しくは「摂れる栄養素のバランスが生野菜と大きく変化している」というのが事実です。
市販の飲料は食品衛生法に基づき、70〜100℃前後での加熱殺菌が義務付けられています。この熱処理によって、熱に弱いビタミンCや一部の水溶性ビタミン、生の野菜に含まれる消化酵素の多くは失活・減少を余儀なくされます。メーカーによっては後からビタミンCを栄養強化として添加している製品もありますが、天然の生野菜と全く同一の栄養バランスを期待するのは困難です。
その一方で、加工によってむしろ生野菜より摂取効率が向上する成分もあります。代表例がトマトに含まれるリコピンや、緑黄色野菜のβ-カロテンです。これらの脂溶性抗酸化物質は、野菜の硬い細胞壁が細かく破砕され、加熱処理を受けることで体内への吸収率が生野菜の数倍に跳ね上がることが分かっています。