背中のラインが崩れる症状には、大きく分けて二つの主要な病態が存在する。背骨が左右に曲がりながらねじれる「脊柱側弯症」と、背中全体が前方に大きく丸まる「脊柱後弯症」だ。これらは一般的な「姿勢の悪さ」とは根本的に異なり、骨そのものや椎間板の変形を伴う。
現代の整形外科学において、この二つの鑑別は極めて重視されている。筋肉のアンバランスによって一時的に姿勢が崩れる機能的な歪みであれば、生活習慣の修正で改善が見込める。しかし、骨の回旋を伴う構造的変形の場合、放置すると自力での矯正は困難を極める。骨粗鬆症による圧迫骨折を契機に後弯が急激に進む高齢者だけでなく、成長期に特発性の側弯を発症したまま大人になり、加齢とともに症状が再燃するケースも報告されている。