最後の夏こそ早期敗退という悔し涙を呑んだものの、都城高校野球部での経歴において山本由伸が残した投球内容は、当時からプロの球探(スカウト)たちを唸らせる圧倒的なものでした。岡山県備前市から親元を離れ、九州の名門・都城高校に進学した山本投手は、1年夏から早くもベンチ入り。秋には投手陣の主力となり、2年生になると本格的に頭角を現します。
その名を九州全域に知らしめたのが、2年秋の公式戦で打ち立てた高校時代のノーヒットノーラン記録です。2015年9月に行われた宮崎県新人野球大会の準決勝、相手は後に夏の甲子園でも対峙することになる強豪・延岡学園でした。キレ味鋭い直球と変化球のコンビネーションを武器に、延岡学園打線を9回無安打無失点に抑え込む快挙を達成。翌春の九州大会進出の原動力となりました。
さらに、3年春の九州大会・熊本・秀岳館戦や県大会で自己最速を更新し、高校時代の最速球速と評価は「最速151キロの本格派右腕」へと跳ね上がります。地方大会のスタンドには日米球団のスピードガンを持ったスカウトが陣取り、ストレートの伸びと制球力の高さに熱い視線を送っていました。都城高校時代の通算成績を見ても、登板した公式戦での奪三振率は極めて高く、ストレートとカットボール、落差の大きなカーブを織り交ぜた投球は高校生レベルを完全に凌駕していました。