浮世絵としての美術的価値と並び、この作品を語る上で欠かせないのが切手市場における評価です。昭和23年(1948年)発行の菱川師宣『見返り美人』と並び、昭和30年(1955年)発行の『ビードロを吹く娘』は、日本の記念切手界における双璧として知られています。
切手趣味週間シリーズは発行枚数が500万枚と限定的であったことから、昭和40〜50年代の切手収集ブーム期には額面(10円)の数百倍から千倍を超える熱狂的なプレミア価格で取引されました。2024年から2026年に至る直近のアンティーク・切手流通市場の定点観測データをもとに、現在のリアルな相場水準をまとめました。
日本チケット商協同組合加盟店やオンライン競売での落札推移を精査すると、バブル絶頂期と比較して全体的な相場は落ち着いているものの、「10面完全シート」の美品質品に関しては2026年現在も美術工芸的価値を伴って取引が成立しています。一方で、湿気による茶色い斑点状のサビ(シミ)や、アルバムから剥がした際の裏糊欠損がある個体は、査定額が額面付近まで下落する二極化が進んでいます。