結論から申し上げますと、給料日の午前0時を回った時点で口座残高が増えていない現象は、日本の金融・給与実務において極めて日常的な光景です。多くの会社員が「日付が変われば即座に引き出せる」と思い込んでいますが、実際には金融機関のデータ更新スケジュールに依存しています。
法的な観点からも、午前0時ちょうどの支払いは義務付けられていません。厚生労働省の通達(昭和50年2月25日 基発第112号)において、給与の口座振込について「所定の支払日の午前10時頃までに払い出し可能となっていること」と明確に指導指針が示されています。つまり、法律や行政指導の基準に照らし合わせても、午前10時までに現金を引き出せる状態になっていれば、雇用者側は法的な義務を果たしているとみなされます。
銀行側の振込処理は、日付が変わってから順次スタートする夜間バッチ処理によって実行されます。数百万件に及ぶ膨大なトランザクションを一定の順序で処理していくため、同じ銀行の口座であっても支店番号や口座番号の割り当て順、あるいはデータ送信元の企業ごとの処理グループによって、午前1時に反映される人もいれば、早朝6時に反映される人もいます。深夜0時の段階で口座に入金がないからといって、取り乱して会社の上司や総務担当者に緊急連絡を入れるのは時期尚早です。