実際の試験問題では、単純な2項の分数だけでなく、応用パターンが組み合わされて出題されます。どのようなバリエーションであっても迷わず解けるよう、パターン別の処理フローを整理します。
パターン1:比を簡単にする小数と分数が混ざった問題
【問題】$0.75 : \frac{9}{8}$
この形式を解く鉄則は、「小数を分数に変換して統一する」ことです。小数のまま処理しようとすると割り切れない循環小数が生じるリスクがあるため、常に分数へ寄せるのが安全策です。
- 小数を分数に直す:$0.75 = \frac{75}{100} = \frac{3}{4}$
- 比を書き直す:$\frac{3}{4} : \frac{9}{8}$
- 両項の分母(4と8)の最小公倍数「8」を掛ける:
($\frac{3}{4} \times 8$)$:$($\frac{9}{8} \times 8$)= $6 : 9$ - 3で割って最も簡単な整数の比にする:$2 : 3$
※よくある小数($0.5 = \frac{1}{2}$、$0.25 = \frac{1}{4}$、$0.75 = \frac{3}{4}$、$0.125 = \frac{1}{8}$、$0.2 = \frac{1}{5}$)は、計算なしで即座に変換できるように暗記しておくことがスピードアップの秘訣です。
パターン2:3つの分数の比を簡単にする応用問題
中学入試や高校入試で差がつくのが、3つの分数の比を簡単にするシチュエーションです。
【問題】$\frac{5}{6} : \frac{3}{4} : \frac{7}{12}$
たすき掛けが通用しないこの問題こそ、最小公倍数乗算法の真骨頂です。
- 3つの分母「6」「4」「12」の最小公倍数を求める。
最大の数「12」は6でも4でも割り切れるため、最小公倍数は「12」。 - すべての項に「12」を掛け合わせる。
($\frac{5}{6} \times 12$)$:$($\frac{3}{4} \times 12$)$:$($\frac{7}{12} \times 12$) - 約分を実行して整数の比を出す。
($5 \times 2$)$:$($3 \times 3$)$:$($7 \times 1$)= $10 : 9 : 7$ - 10、9、7に共通する公約数は「1」のみなので、これで完了。
分母を揃えてノートに並べる作業を一切挟まず、最小公倍数を直掛けするだけで、わずか2行で確実に正解へ到達できます。