かつて主流だった「市販の消毒液(マキロン等)を毎日朝晩スプレーしてピアスを前後に動かす」という手法は、現在では治癒を大幅に遅らせる誤った旧時代の常識と見なされています。強い消毒薬は侵入した細菌だけでなく、傷口を修復しようと集まってきた生まれたての肉芽細胞や正常な上皮細胞までも無差別に破壊してしまうためです。
現代のスタンダードであるアフターケアと消毒の正しい方法は、「低刺激な洗浄による清潔の保持と、自己治癒力の最大化」にシフトしています。
外側のケアとしては、入浴時に低刺激の泡立てた洗顔料をホール周辺に乗せ、擦らずにシャワーのぬるま湯を2分以上しっかり当てて汚れや浸出液の塊を洗い流すだけで十分です。痛みが強い時期や分泌物が多い時は、体液と同じ浸透圧(0.9%)に調整した温かい生理食塩水に患部を浸す「ソルトオアシス(塩水浴)」が炎症鎮静に極めて有効です。
内側の口腔内ケアにおいては、食事の直後に必ず刺激の少ないアルコールフリーのうがい薬や水で丁寧に口をゆすぎ、食べかすの滞留を防ぎます。歯磨きの際もブラシのヘッドがディスクにぶつからないよう細心の注意を払い、舌や唇でピアスをいじる癖(チクチク触る、噛む)を徹底して排除することが、早期完成への最短ルートとなります。