実際の制作現場である中学校現場では、どのようなすれ違いが起きているのでしょうか。SNSやネットの知恵袋、そして現場の生徒たちから寄せられる切実な声を検証すると、落選者には驚くほど共通した行動パターンが浮かび上がります。
「中学校最後の合唱コンクールだからと、クラス全員の顔を一人ひとり丁寧にシャープペンシルで描きました。友達にも『絶対選ばれるよ』と褒められたのに、選考結果は落選。選ばれたのは、黒い影絵のような指揮者と大きな音符だけのシンプルな絵でした。当時は悔しくて涙が出ましたが、印刷されたしおりを見て納得しました。自分の描いた絵は線の細部がかすれて、誰が誰だか分からなくなっていたんです」(都内高校1年生・元実行委員の手記より引用)
この証言に象徴されるように、合唱コンクール表紙中学生が最も陥りやすい落とし穴は「鑑賞距離と印刷強度の読み違え」です。制作中は机の上で数十センチの至近距離から原稿を見つめるため、細部の描き込みに熱中してしまいます。しかし、審査員は1メートル以上離れた位置から全体を見渡し、さらに「学校の白黒コピー機でどう出るか」を即座に想像します。原画がいくら緻密であっても、合唱コンクール表紙絵白黒の印刷工程に耐えられない線画は、実用性の観点から落とさざるを得ないのが教員側の本音なのです。