皮膚の水ぶくれがかさぶたになり、痛みのピークを過ぎた後も油断はできません。この時期には「皮膚の激しいかゆみ」や「残存するしびれ」といった新たな症状が現れることがあります。
治りかけのかゆみは、傷ついた末梢神経が再生する過程で生じる感覚異常の一種です。ここで無意識に患部を爪で掻き壊してしまうと、皮膚に細菌感染を起こしたり、痕が残ってしまったりするため、医師から処方された外用薬を塗り、冷感シートや保護ガーゼで刺激を避ける工夫が必要です。
さらに警戒すべきは、皮疹が完全に治癒したにもかかわらず、3か月以上痛みが持続する「帯状疱疹後神経痛(PHN)」への移行です。50歳以上の発症者では約2割がPHNに移行するとされ、「焼けるような持続痛」や「風が吹くだけで痛む(アロディニア)」といった症状が数か月から数年にわたって続くことがあります。PHNを防ぐ最大の防壁は、前述の「早期の抗ウイルス薬投与」と「急性期における徹底的な除痛管理」に他なりません。