相場が高騰するにつれ、フリマアプリやオークションサイトを中心に「チブソン(Chibson)」と呼ばれる悪質な中国製コピー品が巧妙に出回っています。20万〜30万円超の資金を投じる以上、真贋を見分ける知識とシリアルナンバーの解読スキルは必須の防衛策です。
まず、ギブソンUSAのシリアルナンバー(ヘッド裏に刻印)は、1977年以降基本的に8桁または9桁の刻印方式が採用されています。一般的な8桁・9桁シリアルの場合、「1桁目と5桁目の数字」が製造西暦を表します(例:シリアルが「21501xxxx」であれば2021年製)。加えて、ヘッド裏には「MADE IN U.S.A.」の刻印が木部にしっかりと型押しされています。近年は偽物も実在するシリアルをコピーして刻印しているため、シリアルナンバーだけで本物と断定するのは危険です。
偽物を暴くための決定的な鑑定ポイントは以下の4点に集約されます:
1. フレットエッジバインディング(ニブ)の有無:
本物のギブソンは、指板サイドのバインディングがフレットの端を覆い隠すように成形(オーバーバインディング)されています。コピー品はこの手間の掛かる工程を省き、フレットがバインディングの上にそのまま乗っているケースがほとんどです。
2. トラスロッドアジャスト部の構造:
トラスロッドカバーを外した内部を確認してください。本物のギブソンは「5/16インチのパイプレンチで回す金色のブラスナット」が突き出ています。一般的な六角レンチ(アレンキー)を差し込む穴が開いているものや、穴の周囲に黒いプラスチックのスリーブが見えるものは100%偽物です。
3. ブリッジポストの形状:
本物のギブソン(ABR-1やナッシュビルブリッジ)は、細いネジ山がボディ木部に直接埋め込まれています。アジア製の安価なギターに見られるような「マイナスドライバーで回す太いアンカーボルト」がボディに打ち込まれている場合、それは精巧に偽装されたイミテーションです。
4. ヘッドの角度とGibsonロゴのインレイ:
本物のヘッド角は17度で深く傾斜していますが、偽物は木材の節約と折れにくさの都合上、14度程度と浅くなっている傾向があります。また、白蝶貝で施される「Gibson」ロゴの「o」の文字の上部が開いていない、あるいは「open O」の形状が不自然に歪んでいる個体は警戒すべきです。