近年の採用現場やキャリア開発においても参照される機会が増えている性格類型論(MBTI)の観点から、医療の第一線で強みを発揮するパーソナリティを検証してみましょう。
臨床現場において最も安定したパフォーマンスを発揮しやすいとされるのが、ISFJ(擁護者型)やISTJ(管理者型)、そしてESTJ(幹部型)といったタイプです。これらの性格に共通するのは、決められた手順やマニュアルを忠実に遵守する規律性と、細部への緻密な観察眼です。医療現場では「独自の独創的な工夫」よりも「プロトコル(手順書)通りに正確に投薬・処置を行うこと」が何倍も重視されます。ルーティンワークを退屈がらず、微細な患者の変化に気付ける誠実さは、医療事故を未然に防ぐ最大の武器になります。
一方で、患者や多職種(医師、薬剤師、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカー)との円滑な連携において力を発揮するのがESFJ(領事型)です。協調性に富み、病棟内の空気を察知して円滑なパイプ役を担う能力は、チーム医療の潤滑油となります。
対照的に、直感型(N型)や自由奔放さを重視する柔軟型(P型)の傾向が強い人は、厳格な階層社会とマニュアル厳守を求められる急性期病棟では強い窮屈さを覚える可能性があります。ただし、そうした気質を持つ人物は、マニュアル通りにいかない場面が多い訪問看護や精神科看護、あるいは医療ベンチャーや企画部門において類まれなイノベーションを起こす素質を秘めています。単一の枠組みだけで優劣を決めるのではなく、自らの特性がどの病棟環境・診療科にマッチするかを見極める視点が必要です。