クロックムッシュと並んでよく耳にするのが「クロックマダム(Croque-madame)」です。この2つの決定的な違いは、トーストの上に「目玉焼き」が乗っているかどうかという点にあります。
基本となるパン、ハム、チーズ、ベシャメルソースの構成は共通していますが、焼き上がったクロックムッシュのトップに半熟の目玉焼き(フライドエッグ)をトッピングしたものがクロックマダムと呼ばれます。フォークとナイフを入れ、黄身をとろりと崩してソースのように絡めながらいただくのが本場の醍醐味です。
なぜ「マダム(貴婦人)」と名付けられたのかについても、フランスらしい洒落た説が存在します。焼き上がった目玉焼きの丸い形と白身の広がりが、当時のフランス貴婦人が被っていたつばの広い華やかな帽子に似ていたからという説が最も有力です。また、卵が加わることでより優雅で贅沢な味わいになることから、紳士(ムッシュ)に対して婦人(マダム)と対比させたとも言われています。
ボリュームを抑えて香ばしいチーズの焼き目をダイレクトに味わいたいときはクロックムッシュ、黄身のコクをプラスしてリッチな一皿に仕上げたいときはクロックマダムと、その日の気分や空腹度に合わせて選ぶのが通の楽しみ方です。