『あしたのジョー』の最後を象徴する「真っ白に燃え尽きた」という情景は、物語中盤におけるヒロイン・白木葉子や紀子との対話に深く根ざしています。
ジョーはかつて、平凡な幸せを勧める紀子に対し、自らの人生観をこう語っていました。
「ほんの瞬間にせよ、まぶしいほどにまっ赤に燃えあがるんだ。そして、あとにはまっ白な灰だけが残る…燃えかすなんか残りゃしない…まっ白な灰だけだ」
最終コマで見せた穏やかな微笑みは、挫折や悲劇の象徴ではありません。世間的な勝敗や生命の損得を超え、自分の魂が望む場所にすべてを捧げ尽くした男の「完全なる満足感」を表現しています。白く描かれた陰影と静まり返った空気感は、彼が己の信条を1ミリの悔いもなく全うした証です。