戦前の写真や映像に記録された若い頃の香淳皇后は、切れ長の涼やかな目元と豊かな黒髪、ふくよかで気品あふれる面立ちが非常に印象的です。その佇まいはまさに伝統的な日本美人の象徴であり、国内外から高い評価を受けていました。
香淳皇后の性格は、周囲の側近たちが口を揃えて「極めて大らかで朗らか」と証言しています。格式高い皇族の生まれでありながら尊大なところがなく、ユーモアを解し、常に周囲を和ませる温かい空気をまとっていました。
また、優れた芸術的才能の持ち主でもありました。特に日本画においては「桃苑(とうえん)」の雅号を持ち、前田青邨などに師事して本格的な作品を多数遺しています。宮中行事や公務の合間を縫って描かれた草花や鳥の絵は、卓越した筆致とともに、自然を深く愛する純真な眼差しが表れており、現在も皇室の文化遺産として高く評価されています。