現在流通している新一万円札(日本銀行券F号券)の肖像画に描かれているのは、渋沢栄一(しぶさわ えいいち / 1840年〜1931年)です。幕末から昭和初期にかけて激動の時代を駆け抜け、近代日本の礎を築いた巨人として知られています。
渋沢は、みずほ銀行の前身である「第一国立銀行」をはじめ、東京証券取引所、東京ガス、帝国ホテル、キリンビール、王子製紙、サッポロビールなど、生涯でおよそ500以上もの企業設立・育成に関与しました。さらに、一橋大学や日本女子大学などの教育機関、東京養育院に代表される約600の社会公共事業・福祉事業の支援にも尽力し、単なる実業家の枠を大きく超えた存在です。
彼が唱えた「道徳経済合一説」(論語と算盤)――すなわち「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」という哲学は、企業の社会的責任(CSR)やサステナビリティが叫ばれる2026年のビジネスシーンにおいても、極めて先進的な指標として再評価されています。