元町工場の歴史は、日本のモータリゼーションの歴史そのものです。操業開始は1959年(昭和34年)。当時、トラックのシャシーを流用した乗用車づくりが主流だった日本において、完全なる乗用車専用工場として建設されたのが始まりでした。
建設を主導したのは、トヨタ中興の祖である豊田英二氏らです。「日本人の手で、日本のための本格乗用車を大量生産する」という悲願のもと、初代クラウンの本格量産をスタートさせました。広大な敷地に最新のプレス機や塗装設備を配置した元町工場は、当時の東洋一の規模を誇り、日本の高度経済成長をモノづくりから支え続けました。
カローラが巻き起こした大衆車ブーム、歴代マークIIのヒット、そしてグローバル展開の礎となった数々の名車がここから旅立ちました。60年以上の歳月を経て、生産設備は幾度も刷新されましたが、創業期から受け継がれる「良い品、良い考(アイディア)」の精神は、今も元町工場のすべての工程に深く息づいています。