発端は、ある無名のクリエイターが投稿した一本の短いアニメーション動画だった。淡いパステルカラーで描かれたキャラクターが、ただただ布団の中で寝返りを打つだけ。しかし、その15秒のループ動画が、不眠に悩む多くの人々の心を捉えた。現在では、彼のアカウントは数百万人のフォロワーを抱え、毎夜ライブ配信される「睡眠導入ライブ」には数万人が同時接続する事態となっている。
これまでのキャラクタービジネスとは異なり、積極的な自己主張をしない。ただそこにいて、一緒に眠ってくれる。その圧倒的な「無害さ」こそが、情報過多の時代に最も求められていた要素だったのかもしれない。