数多くのアーティストがベスト盤をリリースするなかで、本作がシャーデー名盤の理由として挙げられる最大の要因は、「時間軸を感じさせない普遍的な音響美」にあります。
80年代特有の派手なゲートリバーブや過剰な電子シンセサイザーの多用を避け、スチュアート・マシューマン(Sax/Guitar)、アンドリュー・ヘイル(Keyboards)、ポール・スペンサー・デンマン(Bass)によるタイトで生々しいアンサンブルを追求しました。プロデューサーのマイク・ペラらと共に構築したミニマルで隙間のあるサウンドデザインは、トレンドの変遷に左右されることがありません。
これからシャーデーの音楽に触れるリスナーにとって、シャーデー ベストアルバム おすすめの筆頭として本作が挙げられるのは当然の帰結です。オープニングの「Your Love Is King」からラストを飾る「Pearls」まで、通して聴くことで1本のモノクロ映画を観終えたかのような濃密なカタルシスを味わうことができます。