『ロンバケ』の大成功直後、山口智子は連続ドラマの第一線から姿を消しました。当時、世間や一部週刊誌では「燃え尽き症候群」「唐沢寿明との不仲説」「事務所とのトラブル」など根拠のない憶測が飛び交いましたが、これらは明らかな誤解です。
唐沢寿明との馴れ初めは、1988年のNHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』での共演でした。約7年の交際を経て、本作放送直前の1995年12月に結婚。山口智子にとって『ロンバケ』は、新婚生活がスタートした直後の大仕事だったのです。
では、なぜ絶頂期に女優休業を選んだのか。後年の自著やインタビューで明かされた真相は極めて明快でした。「主婦としての暮らしを大切にしたかった」こと、そして何より「世界各地を巡り、本物の職人や伝統音楽などの文化に直接触れる時間を持ちたかった」という強い探究心によるものです。1年の約半分を海外旅行やフィールドワークに費やし、インプットのための豊かな時間を確保することを選んだ彼女の決断は、他者の評価に縛られない極めて主体的な選択でした。