マイボーム腺とは、上下のまつ毛の生え際の内側に並ぶ特殊な皮脂腺です。上まぶたに約25〜30個、下まぶたに約20〜25個存在し、まばたきをするたびに微量の油分(マイバム)を分泌して涙の表面に薄い油膜を形成します。この油膜がラップのような役割を果たし、涙の蒸発を防いで角膜の潤いを維持しています。
しかし、加齢、ホルモンバランスの乱れ、長時間のデジタルデバイス使用に伴うまばたき回数の減少、そしてアイメイクの目のキワへの洗い残しなどが重なると、分泌される油分が酸化して固まります。油の出口が塞がれると、涙の油層が崩壊して「ドライアイ(涙の蒸発・脂不足型)」を引き起こし、摩擦によって目のゴロゴロとした違和感や異物感の原因となります。
眼科臨床現場の報告によれば、自覚症状のない軽度の詰まりを含めると、成人人口の3割以上がマイボーム腺の開口部狭窄を抱えていると推計されています。初期段階を放置すると腺組織自体の萎縮や脱落を招き、不可逆的なドライアイへと進行するため早期の対処が不可欠です。