過激化するネット世論に対し、専門家は強い懸念を表明している。長年未解決事件や凄惨な事件を追い続けてきた事件ジャーナリストは、「デジタルジャーナリズムの進化により情報伝達速度が飛躍的に上がった反面、裏付けのない推測が『事実』として一人歩きするリスクが急増している。過度なメディア報道やSNSの突撃取材は、重要な証言を得るべき現場を混乱させる」と指摘する。
また、元警察の心理捜査官は、渦中の家族が見せる態度の難しさを次のように解説する。「極限状態に置かれた人間が示す心理的反応は一様ではない。泣き叫ぶ人もいれば、ショックのあまり感情が麻痺して無表情になる人もいる。防衛本能による挙動不審さを即座に『罪の意識』と結びつけるのは極めて危険だ」。客観的な証拠に基づかない情報拡散が、真犯人の逃亡を許す隙を生み出しかねないと警告している。