獣医学の基準において、一般的にシニア猫は何歳からとされるかといえば、節目の年齢は「7歳」です。見た目には毛艶も良く活発に見えても、内臓機能や関節などの組織は確実に代謝の低下を始めています。
猫は野生時代の名残から、体調不良や弱みを隠す習性があります。そのため、飼い主が気づいたときには病状が進行しているケースが少なくありません。日常の些細な行動の中に現れる猫の老化サインを早期に見抜くことが極めて重要です。
特に注意深く観察すべき兆候は以下の通りです。
- 毛づくろいの頻度低下と毛割れ:関節痛などで体が曲げにくくなると、背中やお尻周りのグルーミングが届かなくなり、被毛が束状に割れる「毛割れ」や毛玉が発生しやすくなります。
- ジャンプ時のためらい・着地音の変化:キャットタワーやソファに飛び乗る前に躊躇したり、飛び降りる際に「ドスン」と重い音がしたりする場合、変形性関節症の疑いがあります。
- 飲水量と尿量の急激な増加:水を飲む量が目に見えて増え、おしっこの塊が大きくなるのは、高齢猫の宿命ともいわれる慢性腎臓病や糖尿病の代表的な初期症状です。
- 睡眠時間の増加と呼びかけへの反応の鈍さ:1日の大半を深く眠って過ごすようになり、視力や聴力の低下によって名前を呼んでも反応が遅れるようになります。
- 夜鳴きや徘徊:夜間に大きな声で鳴き続けたり、部屋の隅で行き止まりになって立ち尽くしたりする場合、認知機能不全症候群(猫の認知症)の可能性があります。