二人の物語は、青山学院大学のキャンパスで始まった。当時から際立った存在感を放っていた渡哲也さんと、同窓生として知り合った俊子さん。大学卒業後、渡さんは日活にスカウトされて銀幕の世界へと足を踏み入れ、瞬く間にアクション映画の寵児としてスターダムを駆け上がっていく。激しい撮影スケジュールと多忙を極める生活の中でも、二人の絆が揺らぐことはなかった。
1969年、二人は祝福の中で結婚。スターの妻という重責を引き受けるにあたり、俊子さんが選んだのは「徹底して表に出ない」という生き方だった。華やかな芸能界の喧騒から一歩引き、夫が仕事に集中できる環境を整えることに専念した。この決断が、その後の夫の縦横無尽な活躍を支える堅固な土台となったのである。