真空管ラジオから流れるジングル、手書きのはがき、そして深夜2時の爆笑。昭和から平成にかけての日本の若者文化を形作ったのは、間違いなく深夜ラジオの存在だった。特にニッポン放送の看板番組である『オールナイトニッポン』や、独自のアプローチでリスナーを魅了したTBSラジオの夜枠は、学校や職場では決して味わえない「ここだけの秘密の空間」を提供していた。
当時の若者にとって、ラジオは単なる情報メディアではなかった。投稿したはがきがパーソナリティに読まれるかどうかのスリル、全国の顔も知らない仲間と同じ番組を聞いているという連帯感。深夜のダイヤルを微妙に回しながら雑音の狭間にチューニングを合わせる行為そのものが、一つの熱狂的な儀式だったのだ。