NHKに保管されている過去の貴重な映像や音声アーカイブには、公の場では決して見せることのなかった二人の一瞬の表情が記録されている。カメラが回っていない瞬間に見せた視線の交わし合いや、番組の合間に洩らした一言。そこには、メディアが煽り立てた「愛憎劇」という言葉では片付けられない、深い敬意と愛慕が存在していた。
晩年のひばりが体調を崩した際、小林旭が陰ながら彼女を気遣い続けていたことも、近年の再検証で明らかになっている。互いに別の道を歩みながらも、心の中では相手を「特別な存在」として称え続けていた。形にとらわれないその絆こそが、彼らが遺した最大のロマンなのかもしれない。