東洋医学において、生命活動を支える基本要素の一つが「気」です。強いストレスや緊張状態が続くと気の巡りが停滞する「気滞(きたい)」と呼ばれる状態に陥り、これが様々な身体症状として現れます。その代表例が、喉に何かが引っかかっているような異物感です。
西洋医学では「ヒステリー球(咽喉頭異常感症)」と呼ばれるこの症状は、漢方の世界では梅の種が喉に詰まったように感じることから「梅核気(ばいかくき)」と名付けられています。半夏厚朴湯は、まさにこの梅核気を改善するための第一選択薬として知られています。
喉の違和感に加えて、理由のない動悸や焦燥感、気分が塞ぎ込むといった不安神経症の諸症状に対しても、気の巡りをスムーズに整えることで緊張を和らげる働きがあります。気分が沈みがちで喉や胸のあたりにつまりを感じる方を中心に、心療内科や耳鼻咽喉科でも頻繁に用いられています。