テレビの画面越しには美しく見える農ライフだが、その舞台裏にはシビアな採算性の壁が立ちはだかる。自給自足で食費を抑えるだけでは、固定資産税や機械の維持費、国民健康保険料などの現金支出を賄えない。成功を収めている実践者たちに共通する秘訣は、「大量生産・低価格競争」からの脱却にある。
具体的には、特定のファンに向けたECでの直接販売、顧客と定額契約を結ぶCSA(地域支援型農業)、あるいは高価格帯のレストランへの特化出荷などが挙げられる。小規模だからこそ可能な多品種少量の丁寧な栽培や、体験型観光との掛け合わせによって、1ヘクタール未満の農地でも年間数百万円以上の粗利益を弾き出すモデルが成立している。自分の農園を個人の「ブランド」に仕立て上げることが、生き残りの絶対条件だ。