物語の最大の謎であった「全人類の石化を引き起こした黒幕」の正体は、月面決戦においてついに白日の下に晒されました。千空たち科学王国が月面で対峙したホワイマンの正体は、人類でも宇宙人でもなく、自己増殖型の機械生命体(メデューサそのものの集合知性体)でした。
彼らは宇宙空間を漂流しながら、自らをメンテナンス・複製できる知的生命体を探し求めていました。石化現象は侵略や殺戮ではなく、知性体に「不老不死」というメリットを提示することで、自らを保護・維持させようとする寄生的な共生提案だったのです。しかし、意識を保ち続けることで脳エネルギーを消費し石化を解いた千空たちの存在と、「人間は死を克服することよりも、自らの足で進化し続けることを選ぶ」という回答に直面し、交渉は決裂。大多数のホワイマンは新たな宿主を求めて宇宙の彼方へと飛び去りました。
ここで特筆すべきは、たった一つのメデューサ端末が、千空たちの「途方もない未来への挑戦」に興味を抱き、地球に残る決断を下した点です。そして物語のラスト、石神千空の結末として描かれたのは、静かな隠居でも勝利の余韻に浸ることでもなく、「過去へ向かうタイムマシンの建造」という新たなクラフトへの着手でした。
石化によって失われた78億人の命、数千年の間に命を落とした百夜をはじめとする先人たちを「誰一人見捨てず全員救い出す」という途方もない目標を掲げ、千空は再び白衣をなびかせてニヤリと笑います。科学に限界はなく、人類の探求は永遠に続くという、本作の神髄を象徴する幕引きとなりました。