「言質とは」という疑問を抱く人の多くが、最初の関門として直面するのが言質の読み方です。結論から述べると、正しい読み方は「げんち」または「げんしち」です。「げんじつ」と読むのは、漢字の見た目が「現実(げんじつ)」に酷似していることから生じた完全な誤読に過ぎません。
文化庁が過去に実施した「国語に関する世論調査」などの用例分析を見ても、慣用句や難読漢字の中で「質」を「じつ」と誤読する割合は一定数存在します。しかし、常用漢字表において「質」の音読みは「シツ」「シチ」「チ」の3種類しか規定されていません。
なぜ「ち」や「しち」と読むのか、その鍵は言質の語源と由来に隠されています。「質(しち・ち)」とは、質屋(しちや)や人質(ひとじち)、質草(しちぐさ)という言葉が示す通り、「債務の担保として相手に預けておく品物」を指します。つまり「言質」とは、「自分の発言を担保(人質)として相手に差し出すこと」を意味する漢語です。
伝統的な辞書表記では「げんち」が本則とされ、近世以降の慣用音として「げんしち」も認められてきました。ビジネスや公の席で恥をかかないためにも、「げんじつ」という誤読は今すぐ頭から消し去り、「げんち」を第一の語彙として定着させておく必要があります。